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2026/06/14

ほっとひと息​​『小 坂 忠』

 2022年に惜しまれつつ天へ凱旋した、牧師でありシンガーソングライターであった小坂忠(こさか ちゅう)さん。比較的ご高齢の方には、ご存知の方も多いかもしれません。
 1969年〜70年代、日本のロック・ソウルミュージックの黎明期に活躍したパイオニアです。細野晴臣、松本隆、鈴木茂、松任谷正隆など、日本を代表するミュージシャンたちと共演してきました。
 1976年、一人娘が重度の火傷から奇跡的に癒やされたのを機にクリスチャンとなった彼は、その後牧師となり活躍の場をゴスペルミュージックの世界へと移しました。
 当時、教会で歌われる楽曲といえば讃美歌や聖歌が主だった日本のクリスチャン界において、忠さんの作詞作曲した楽曲は衝撃を持って迎えられたそうですが、今や日本の教会音楽に欠かせないものとなりました。
 今から10年ほど前、東京で働いていた私は、忠さんの出演されるライブに何度か足を運びました。その中でも忘れられないライブがあります。2018年に行われた「SONGS & FRIENDS 小坂忠HORO」。1975年にリリースされ、今なお数多くのミュージシャンに影響を与えている名盤『ほうろう』を再現すべく、忠さんを慕いリスペクトするメンバーが集められ実現した一夜限りのライブです。荒井由実、高橋幸宏、矢野顕子、槇原敬之……。そうそうたるメンバーと共演した舞台で、忠さんが最後に歌った曲は讃美歌『アメージング・グレイス』でした。
 4節の歌詞にはこうあります。
 ♪御国に着く朝 いよよ高く 恵みの御神を たたえまつらん
 前年に大病からの奇跡の復活を経てステージに復帰した彼が、力強い声で歌うこの曲を、私は涙なしに聴くことはできませんでした。
 さて、なぜこんなにも語っているのかと言いますと、先日ふとYouTubeでクリスチャンになる前の忠さんの映像を見たことに端を発します。私がリアルタイムで知らない若かりし頃の忠さんがそこにいました。
 貴重な映像がネットの海に漂っている現代。“小坂忠”というシンガーの存在を知った新しい世代の人々が、その音楽と生き様に触れ、忠さんを導かれた神様へと辿り着く──そんなビジョンに心が踊ったのでした。彼が残した音楽やメッセージが、これからも生きて多くの人に届くことを祈っています。

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