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2026/05/24

ほっとひと息​​『ネズミムギ』

 聖書の中に、イエス様が語られた「毒麦のたとえ」の話があります。ある人が畑に良い種を蒔いた。でも、秘かに敵が蒔いた毒麦が一緒に生えてきた。心配する農夫たちに、農園主は、今は放っておけ、収穫の時にとり分けよう、と言います。さすが、敵も農園主も賢いなあと感心します。
 麦はイネ科ですが、この仲間はどれも本当によく似ていて、見分けにくい姿をしています。芽生えた直後には、全部同じにしか見えません。穂が出て花が咲くころになって、ようやく見分けがついてくる。そんな植物たちです。
 この仲間でおなじみの麦には、オオムギ・コムギ・ライムギなどがあり、焼き立てパンの香りを思い出す人も多いでしょう。麦は古代エジプト時代から食べられていた人類の主要な食べ物のひとつです。その他に、ネコ草のカラスムギ(燕麦)も結構有名です。イヌムギもあるのですが、こちらは何それ?状態。極めつけはネズミムギ。知っている人がおられたら、それこそ希少種です。でも、人との関わりは意外に大きく、春から夏にかけて道を歩けば左右にその細長い姿を見ることができます。牧場でも「イタリアンライグラス」と呼ばれて斜面の崩壊防止や牛馬の大事な主食の一つとして役立っています。たまに牛乳にこの草の香りがすることがあります。やや有毒で、初夏からの花粉症の多くやミルクアレルギーの何割かはこれが原因では?と思われます。
 一般に、役立つ植物には良い名前が、役立たない植物にはしばしばイヌやネコなどで始まる名前が付けられています。この草は  「ネズミムギ」。こんなに役立っているのに、ちょっと可哀想ですね。

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