瀬戸内海の二番目に大きな島、小豆島に大阪教会の枝教会とキャンプ場（宿泊施設）があります。コロナ禍が明け、やっと数年ぶりに皆で集まり、穏やかな年末年始を過ごしました。元日には島のほぼ中央の中山地区にある千枚田を散策しました。東西の谷間に蛍の名所の川が流れ、南向きの斜面に棚田を見上げることが出来ます。山を開墾した時に出て来た岩で石垣を造り、大小800枚近くの田が階段状に等高線の波を描くさまは冬枯れとは言え、先人の労苦を想い、その美しさは格別でした。最上部あたりには野菜や衣服の共同洗い場があり、流水に手を浸すとほんのりと温かく、棚田を潤しているのがこの湧き水だと納得します。
帰りは近道とばかりに、民家の間の狭い急坂を下りました。そこへ赤い郵便配達のバイクが通りかかり道を譲ろうとすると、「年賀状が遅くなってすみません」「いえいえ、私たちは・・・」から会話が始まり、受けた感動を伝えると、地元出身の若い配達員さんはとても喜んでおられました。
ふもとに戻り、お茶でも一服と思っていた地区唯一の食堂は、すでに閉店時間を過ぎていましたが、先の配達員さんから私たちのことを聞き、閉めずに待っていてくださいました。中山千枚田の歴史は700年ほどにもなるとお店で知り、先人たちから受け継いだ棚田は今も地元の人々によって守られていることを実感しました。天地の創造主は、この山あいの人々と土地を喜ばれ、愛おしく思っておられるに違いないと思わされました。

　『主は泉の水を谷に送り
　山々の間を流れさせ・・・
　主は　その高殿から山々に水を注がれます。
　みわざの結ぶ実によって　地は満ち足りています。
　主は　家畜のために草を
　また　人が労して得る作物を生えさせます。
　地から食物を生じさせてくださいます。』(聖書　詩篇104篇10,13,14）
 

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